なみのりとむのサーフィン・サファリ日記

アフリカ、ギニア湾岸在住。毎週末の波乗りがサーフィン・サファリです。

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アフリカに持っていく、たった一本のサーフボード

【なみのりとむのアフリカ・サーフィンサファリ日記】第7話

なみのりとむです。出稼ぎ先のアフリカで、サーフィンサファリなお話。週末、連休、波より日和に、ぼちぼち連載してます。

三年ほど前、なみのりとむの三度目のアフリカ行きが決まった時、とても大きな問題が頭を悩ませた。食事が喉をとおらないほど・・・というのは大げさだけど。

その悩みとは、、、アフリカに一本だけ持ってけるボードを何にしようか、という話。

サーフィンがアフリカに着いたのは意外にも歴史が深い(←このお話はまた別にしますね!)。でも、なみのりとむが住む西アフリカのこの国では、残念な波もあってか、はっきりいって超・後進国。

第一、サーフショップらしきものがない。去年まで、街中のショッピングモールに一店だけ存在した。しかし去年、お店は閉じてしまった。そのお店で取り扱っていたボードも、ほぼウレタンのなんちゃってボードか、EPSの汎用ボード。そして程度が超悪いオンボロボードが、ありえない値段で並ぶ。まともなサーフボードの入手は難しい。

それから削っているshaperもいるにはいて、なんとその貴重な(?!)ステッカーも持ってはいるが、正直惹かれない。

そもそも、なみのりとむは、板のこだわりがある。この半生、なけなしのお金を、さんざん板に散財してきた。いまも日本の留守宅にはたくさんのボードちゃんたちが、とむの帰りを待つ。

なので、なんでもいいからボードがあればいい、とはならない。

向こう三年間、たった一本のボード。 みなさんなら、どのボードを選ぶ?!

アフリカはあまりに遠い。当地には、日本からパリまで12時間のフライト、そこで8時間待ちの乗り継ぎ。そこからさらに7時間半とか。パリ経由の便でサーフボードを預けている人なんて、まずいない笑。

成田でボードを持って並んでいた時、こんな会話が。

空港の係の人「どちら行きの便にお並びですか?」 とむ「パリです。」 係の人「バリならあちらですよ。」 とむ「いえ、エールフランスでパリです。」 係の人「え?!いったい何しに行かれるんですか?!」 アフリカ行きで悪かったね!

エールフランスだと、エコノミーでも、アフリカ便の預け入れ荷物は特例で23キロを2個まで受け付けてくれる。そして23キロ以内、縦横幅合計250センチまでなら、ボードも通常荷物として受け付けてくれることになっている。しかし大抵トラブる。空港では、エコノミー=荷物一個まで、ボード=300ユーロが必要と思い込んでいる係員が多いからだ。やれやれ。

そんな苦労して持っていく、キチョーーなボード。どれを選ぶか。赴任が決まってからの数ヶ月、そのことばかりを考えていた。

なみのりとむは、ここ7年くらいツインフィッシュ専門。いまは4’10から5フィート台前半の、トランジション系ばかりを持っている。

その中で何を持っていくか、、、。前情報では、かなりデカくて早い波らしい。それにあっている板。そして「ある程度」気に入ったボード。でもボロボロになってもいいボード。万が一盗まれても諦められるボード。・・・手持ちの板には残念ながら該当するものがなかった。

そこでネットで、ソコソコの価格の、ソコソコ気に入った、そしてまだ見ぬ波に合うであろう、と思われる板の物色を始めた。早い波、カレントも早そう。長さは少しあったほうがいい。しかし波のパワーをまともに食らってはいけない。少し薄め、細めの板がいいだろう。もちろんツインフィッシュは譲れない。そして何より、気に入った板でなくては、愛せない。

安めの中古をゲットしてはテストを繰り返した。でもそんな時に限って、波がない。膝波じゃわからんチューの。

そして結局選んだ板は・・・リッチパベルのツィンフィッシュ5’06となった。

この板は、少し長め、厚みと幅、浮力は抑え気味。こんな長い板、日本では乗らないだろうから、ボロボロになってもいい。前に掲げたほとんどの条件をクリアしていた。ただし、「盗まれても諦めがつく」以外笑。

特徴的なのは、この年代のリッチパベル、今はなき、Lokboxフィンを採用していること。これはいま、なかなか手に入れられない。実はなみのりとむはもう一本Lokboxシステムの板を持っている。その板のためにも、仲間の秘密サーフボード工房で、予備のフィンを作ってもらった。

これで準備は完了。アフリカ・サーフィンサファリのお供、マイ・ベスト・クイーバーが誕生した。さてこの板、アフリカに来て、本領を発揮したのだろうか?大きくてジャンクな波に太刀打ちできたのか?!それとも、、、

(次回につづく)