なみのりとむのサーフィン・サファリ日記

アフリカ、ギニア湾岸在住。毎週末の波乗りがサーフィン・サファリです。

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アフリカで海の環境のことを考えてみた(1)〜ここまで押し寄せる、プラスチックゴミの問題

【なみのりとむのアフリカ・サーフィンサファリ日記】第6話

アフリカで海の環境のことを考えてみた〜ここまで押し寄せる、プラスチックゴミの問題

なみのりとむです。出稼ぎ先のアフリカで、サーフィンサファリなお話。週末、連休、波より日和に、ぼちぼち連載してます。

※前回のお話 だ〜れもいない海

きょうは、こちらアフリカで、ちょっとマジメに海の環境のことを考えてみた。

青い海、白い砂。なみのりとむのホームビーチは、さんざん書いているとおり、波はひでえクオリティだけど、ビーチ自体は豊かな自然に囲まれた、それはとてもきれいなロケーション。

まず、海になーんにも遮るものがない。テトラ、消波ブロック、突堤、港、、、見渡す限り、とにかく、人口構造物がない。サーフィン的には、これが強烈なカレント(千葉では「ミヨ」って呼んでた)を生み、波が上がれば、波乗りを難しくさせるけど、ありのままの自然に囲まれた環境は、なにものにも変えられない、自然との一体感を感じさせてくれる。

ここのビーチの砂は真っ白。なみのりとむが大好きな、千葉のホームビーチを思い出させる。そして、いわゆる「鳴き砂」。一歩一歩足を進めるごとにキュッ、キュッと音を奏でる、ステキな自然のささやき。

最高の自然に囲まれている!!・・・はずなのに、現実はそんなに美しくない。

世界的に注目されている海のプラスチックゴミ問題。アフリカ、そしてここギニア湾岸にも大量に押し寄せている。

周期の長い、エネルギーを持ったうねりは、沖合でゴミの群れをまとめ、オンショアとともにビーチに大量の浮遊物を打ち上げる。そして引き潮となれば、ビーチはゴミだらけ。沖に出ればなおさら。パドルをしても、波待ちしていても、そしてセットに巻かれても、まとわりつくビニール袋。擦り寄ってくるポリタンク。その漂流物の密度に愕然とする。

「見ろよ、このゴミ。全部都会から流れてきてるんだぜ!」とロコボーイズ。有機物の散乱するビーチに、南国気分は一気に冷める。

経済成長著しいアフリカ。生活水準の向上と人口圧は、都市部を中心に消費文化を加速させている。しかしアフリカにはそもそもゴミの回収システムがない。プラスチックごみのリサイクルなんて、まだまだ遠いSFのお話ってくらい。

ここのロコボーイズ達もゴミを拾っているが、それは海を愛するもの達のビーチクリーンではない。ロッジに雇われてるから、仕事としてやっている。そうでなければ、彼らから海岸清掃をすることはないだろう。「俺たちの捨てたゴミじゃねえもん。」

アフリカでも、心ある小さなグループはこの問題に取り組みつつある。けど、あまり金にならない、貧困地域のゴミ問題だけに、大きな社会の動きには程遠い。まだまだ環境にお金を払うほどには、経済も人々の意識も高まっていないのがアフリカの厳しい現実。

そしてこのゴミ、ロコたちがいうとおり、ここで生まれたものでない、というのものまた事実。所得格差や生活レベルがあまりに違う、都会の消費者たちが生んだもの。ここで暮らしている人たちには、そんな消費文化に浸れるほどの、所得水準はない。だから日本で、他のビーチから流れ着いたゴミとはちょっとニュアンスが違う。なんで貧しい自分たちが、金持ちが出したゴミを、タダ働きで拾わなきゃいけないの?!

思えば、自分も都会生活者として、その責任の一端を負っている。

アフリカでのサーフィン・サファリ。波乗りも深いものがあるけど、環境、格差、貧困、開発、、、いろいろ哲学させられる日々が続く。「アフリカで海の環境について考えてみた」この先も、ぼちぼちつづけたいと思います。

(つづく)