なみのりとむのサーフィン・サファリ日記

アフリカ、ギニア湾岸在住。毎週末の波乗りがサーフィン・サファリです。

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サーフシーズン

【なみのりとむのアフリカ・サーフィンサファリ日記 第4話】サーフシーズン

なみのりとむです。出稼ぎ先のアフリカで、サーフィンサファリなお話。週末、連休、波より日和に、ぼちぼち連載していきたいと思います。

西アフリカのギニア湾。当地の絶望的なサーフィン環境は、だいたい3月ごろから11月ころまで、8ヶ月くらい続く。

ここでは日本でよくある「波なしデー」はない。雷雨が激しくて海に近づけない、カレントとスープが激しくて、入ったら叩きのめされるから入れない、という日は少なからずあったけど、フラットって、まず見たことないなぁ。この三年間でゼロ。

とにかく夏季はギロチンダンパー、オンショアチョッピー、激流カレント。それでも自分でコントロールできる範囲で、パドル、ドルフィン、スープライディングだけはこなすようにしている。それで流され、巻かれ、無力感に打ちひしがれ、悟りの境地に至る🙏苦笑。

それだけで終わったらあまりに悲しすぎる、、、。しかし、ちゃんとあるのです。サーフシーズン!12月から2月まで冬季の3ヶ月、つまり、いま。このわずかの短い期間だけは波が小さくなる。なぜって、南半球では夏。かの地が高気圧で覆われ、うねりがなくなるから。なので、いまが、波乗りのベストシーズン。

日本にいると、波乗りシーズンって、主に波がやってくるシーズンを指すと思うけど、ここでは波が小さくなるシーズンをさすのだから不思議。

サーフシーズンは波の傾向が変わる。なんといっても波周期が10-15秒と短くなる。普通の日本のビーチよりはだいぶ長いけど、それでもここでは十分パワーが落ち着いた感じがする。

それから風。この季節、北のサハラ砂漠から、熱気をたっぷり含んだ乾いた風が吹いてくる。ハルマッタンと呼ばれる。北からの風、つまり、オフショア。または、この風がオンショアと打ち消しあい、無風となることも。しばしば訪れるグラッシーなコンディション✨の中、胸〜肩サイズの波がやってくる。他のシーズンにはない、期間限定、ワゴンセールのタイムサービス。

・・・そう聞くとかなりいい感じに聞こえるけど、ちゃんとオチがある笑。その形のいい波を待っていると、5分おきくらいにやってくるセットの頭オーバーのギロチンダンパーを食らうことになる。一度セットがやってくると2分くらい続く。このお化けセットと、小ぶりな波の乗り分け(乗らない分け?逃げ分け?)が大切。でかい波はなんとか避けて、しっかり肩の切れた波を選ばないと、やられることになる。

程よいサイズの波も、ショルダーが短く、決していい波とはいえないかな。「波●説」、「なみ●る?」的には▼30とか、そんな感じ。

しかしさらにうねりが落ち着いて、もっと小さくなることがある。その時こそ、ベストコンディション。ショルダーを走れる少し早い波。アップスン、パンピング、カットバックで、ビーチまでなんとか繋いで乗ってこれる波。ショルダーが続くハイタイドを狙うのが鉄則。

早い波でプルアウトすると、日本では経験したことないような高さに飛びだすことになる。そう、「強制エアー」。このへんで、ここの波のパワーが実感できる。そして本来エアーっていうのは、こうやって自然にできるもんなんだなぁ、と気づかされる。

このいいシーズンの波乗りなら、△40、45点くらい、ごくたまに○50点つけてもいいかな。

そう考えると、日本のポイントは、サイズやパワーはなくても、ほんとうに美しくて、まとまった、優しい波が立っているんだなぁ、と実感する。恋しくなる。

しかし旅人は怯まない。サーフィン・アフリカ。なみのりとむは、今日もサーフ修行、鍛錬に励むのだった!!

(つづく)