なみのりとむのサーフィン・サファリ日記

アフリカ、ギニア湾岸在住。毎週末の波乗りがサーフィン・サファリです。

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ジャングルポイント

【アフリカ・サーフィンサファリ日記 第2話】

※第1話はこちらから。

当地にきてはや三年。この日も朝イチ、大都会が目覚める前に街を抜け、ギロチンダンパーが待つ海を目指す。

日本にいるときは、日の出はに必ずビーチにいるなみのりとむ。でもアフリカではあまりに早朝に出るのは治安上よくない。けさも朝4時頃、アパート近くが騒騒しかった。6時頃、落ち着いたので海に向かおうと通りに出ると、路上には大小の石が散乱し、何かが燃やされた跡、割れたガラス、血痕。多数の軍。アフリカ暮らしはいつもこんなことが隣り合わせ。慣れてるけど。

それでも海に向けて車を進める。朝霧の向こうに灼熱の太陽が昇る。朝から気だるい暑さ、生ぬるい風。常夏の南の国。気温32度、水温28度。もちろんウェットなんかいらない。

当地のサーフエリアは、自分が住んでいる町の中心部から100キロ弱のAエリアが最も近い。エリアといっても、サーファー人口は非常に少なく、数える程。そして波はドダンパー。

このエリア以外だと、海岸沿いを西に300キロ。超絶ひどい、雨季には通行すらできなくなるような道を7時間から8時間進んだところに、素晴らしいリーフのポイントDがあるが、治安のリスクをとってサーフキャンプする覚悟が必要だ。西アフリカのギニア湾では海岸浸食も著しく、ドン深。他にはブレイクするポイントがほぼない。なので、日常的にはこのAエリアに通うことになる。

そのAエリア、お世辞にもよいとは言えない道路をコトコト走り、約1時間40分ほどかかる。この日は、エリア東側に位置する「ジャングルポイント」と名付けたポイントに行くこととした。

ここはビーチがある対岸と、道路の間を、ラギューン(海から伸びる水域)が隔てる。海側には道路がつながっていない。陸地側の道路で近くまで行ったら車を降り、板やら、なんやらを背負って、そのままピローグ(アフリカの伝統式ボード)に乗って、対岸のビーチを目指す。マングローブの生い茂る対岸、アフリカ人の船頭、頬をなでるシーブリーズ。サファリ感満載、なんかテンション上がる。

なーんて、いいことばかりではない。車止めるのと、船渡しの料金をめぐって、現地の人とガチ交渉。アフリカのリアリティが、一気にサファリな雰囲気をぶち壊す笑。

対岸に着いたら、荷物を背負い、ジャングルの中の道を抜ける。小鳥の鳴き声、木々のさえずり、ハエの飛ぶ音、ヘビのお出まし。ビーサンではかなり危うい。

しばらく歩くと、ビーチが現れる。ここが、きょうのポイント。ようやくたどり着いた。

(つづく)